海を渡る蝶がいるという。そして、梅雨が露によってさらにぬれてここに於いて(この場に)晒されている。蝶が翔びたつ。一斉に水は雫を表す(水粒になる)。一滴あっての水ではない。水あっての一雫ではない。多でもなく個でもない水のふしぎ。水が水にぬれ…
舞ひ翔ぶやしとどの露より蝶が立つ 水盤や赤絵の色がましぬれる いや白しは短夜の露の匂かな 六月の雫におのれを映しゆく 人無くも有を知りたる露台かな 明け朝に既に滴り釣荵 すがしくも単衣の老女と会釈する 地下鉄に身すがら老婆が単衣物
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