Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

工芸

グラス・薄さの温もり

冷たいガラスなのに、思ってもいない温かさをふと感じる。 それも、より薄いクリスタルな透明さが光りの温もりとして直にこちらに伝わってくるという具合。 コロナ感染者が終息を受けて木村硝子店の直営店が再開したので、湯島に行ってきた。 www.kimuraglas…

夏が来た

巻雲がきれい。 細やかなつやのある白い絹のよう。 ふと思って、有田の器を出してみた。初めて自分で買った記念の器だ。涼しげ。朝起き抜けに散歩をしていると、畑の奥から朝採りの鋏の音が聞こえた。静けさに響き、いい感じ。 朝未だき切りゆく音や茄子畑 …

でっかい優しさに会ってきた

でっかくてゆたかなものに会ってきた。懐の深い優しさってこんなもの。河井寛次郎。「仕事が仕事をしてゐます」。おおきいな。ぽかぽかあったまった。 僕の70歳のお祝いに小旅行に行ってきた。名所旧跡回りもせずにのんびりとしようて思ったが、せっかく京都…

有田・西山のコーヒーカップ

何気なく棚から取り出したコーヒーカップ。もう四十数年の歳月が経っている。江戸川の平井の時代、よくかよった可否茶舗 儚夢亭。その店主Mさんがぼくの転任祝いに譲ってくれた有田西山の小ぶりなコーヒーカップ。まだ宝飾の仕事をやってた頃で、その腕が半…

曠古の呉須

好きに理屈はない。好きの力を信じるという言葉があるが、そこまでそんなに自信を強めねばならないのかと思う。好きというのはそんなに片意地を張ることではないのだ。ともかくざっくばらん?に、染め付けの呉須の色が気に入って十年ちかく惹かれ続けた時期…

思い出の器を取り出す

りんごジャム第二弾、コメント欄にrairakku6さんが「器(うつわ)にも興味を惹かれます。」と書かれて、ボクとしては思い出の品だからとても嬉しかった。それがこの器。 もう今から三十年ほど前、竹橋の近代美術館の工芸館の中で偶然知りあったオーストラリ…

河井寛次郎

二ヶ月前から仕事で難題が重なっていた。荒んだ重い気持ちで、ものづくりの仕事に疲れくたびれ果て、やることなすことが次々と裏目になっていた。 「いのちの窓」河井寛次郎著。人間国宝や文化勲章などに推挙されるが応ぜず、自らの世界を切り拓き、陶芸の枠…