emmaus.hatenablog.jp

“だれ一人自分のためにだけ生きている人はいない”

風景

何もないところに変化は起きない -記憶のあやとり-

記憶を辿ろうにも以前のことが思い出せない。年とともに記憶が薄れて来たのだ。通常、認知症は短期記憶が衰え長期記憶は大丈夫なのだが。 記憶が薄れるなかでも、この時われわれはおのれの可能性を見出そうとする。年老いてもなお、それはけっして自分にたい…

思い違いが人生だ

思い違い どこにしまったのか分からなくなっていた庖丁が出てきた。それも出刃と柳刃の二本の庖丁。けっこう思い切って買った品だった。探しに探した挙げ句見つからずあきらめてしまった。どこに雲隠れしていたのか。いや、庖丁が隠れたのでもなければ庖丁の…

冬のマーチングバンド

幾層もの薄紅の雲の合間から夕陽が河岸を照らしていた。昼間に雪の降った翌日のことだった。 対岸の草はらには子供たちが一つに列をなし西に向かって立ちすくんでいた。 鴨は川面で動かず、辺りの空気はキーンと張りつめていた。 子どもらは凛々しく面をあげ…

100年目の風景

▪️ハルさんのこと この世の支配者は「時」であって、(きみが)王であれ奴隷であれ、時がきみの命を吹き消すとき、あらゆる苦しみと喜びは夢のように、あるいは水のように消えてゆく。だから、王であれ奴隷であれ、良い思い出を遺す人こそ幸福なのだ。-フェ…

鷺とブルックナー

ダブルV列しこ鷺が秋の朝 中山さん(id:taknakayama)がブルックナーの四番をある時いろいろ聴かれていたという。それはそれでとても素敵でわたしはしみじみ感じ入った。あの曲もいいよと思った。でもわたしの手元にはそれがない。だからではなく、こんど中…