Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

なぞる招き

ボクが呼ぶのか。あなた「あの方」が呼ぶのか。それは分からない。
眼を閉じて鉛筆の先で机をなぞってみてごらん ボクと鉛筆 ボクの躰につたわる鉛筆 ボクらのために果たす鉛筆 そうさボク自身の有り様でないのだ そうして ボクらのためにでなくそのボクらを少しずつ外して キリストのために果たすことを 眼を閉じてなぞってみてごらん 
そうそんな風ななぞる招き

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ボクらを通して神が自身の創造を眺めるにはボクらの同意が必要だと。ボクらの同意を得て神はこの創造の驚異を成し遂げると。この机が神に見られるという比類なき幸運に恵まれるには「わたし」、この「わたし」そのものが自己の魂から撤退の同意があればいいと。ヴェイユは言ったね。ちょうど神自身が、創造主でありながら、「わたしたち」を存在させるために撤退したように。と。。。

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指し示されたキリストをなぞってみてごらん。きみの鉛筆の先で。きみの有り様ではなく。ボクがいて ボクがいない。 不思議な「わたし ジユ」。不可欠な「わたし ジユ」はなく、それ故の放棄すべきだった「わたし ジユ」もない感覚。ボクが呼ぶのか。あなた「あの方」が呼ぶのか。それは分からない。