2005-09-14 秋暑 句 草 秋暑き風の谷間に墨を擦る 風というよりも台風であり嵐だった もう一週間前のことだったろうか そんなふうに凪いだ夕方に静まり返った今にこそ風の勢いとなびく草そのものをよりリアルに思えても来るもの不思議なもんだ ベツバナ(別の話)だが いつもヘナチョコ句なんかはやるたびに 蕪村の句に「盗人の首領歌よむけふの月」というのを思い出しては可笑しくなる まあ おのれとて盗人とは五十歩百歩の人の違いであるのだし また蕪村の思いも察せられて 何だか気が楽になるってくる ならついでにもう一句 ゆっくりと梨の皮ごと時を剥く