emmaus.hatenablog.jp

“だれ一人自分のためにだけ生きている人はいない”

 「ピアノの錬金術師」

銀座ヤマハホール

グレン・グールドの映画に行ってきた。ブリュノ・モンサンジョンの撮った映像はグレン・グールドにおいて世に知られたと言ったら彼にワルい気がする。まあそれほどモンサンジョンとグールドは一体だと言える。何本かのフィルムを一本に纏めたものだった。
やはり彼の音と銀幕?の中のグールドは同じでバッハを語るにもシェーベルグ、ベルク、ウェーベルンを語るにも近頃の音楽家(1982年グールド没)に較べても音楽表現のポテンシャルは尚高い。それに彼の語る間といい、手の柔らかな仕草といい、会話の途中で顔が赤らむ照れの表情といい、彼において全く音楽と演奏行為の本質的な溝がどんどん伝わってくる。こんな彼ならコンサートの演奏行為はとても堪えられなくて苦痛だったに違いない。彼がコンサート活動を拒否したことを納得した。何がなんでも人前でのパフォーマンスがいいとも限らない。彼の文章も世に出ているが、語りの説得に勝るものはない。しかしそのように、ブリュノ・モンサンジョンとの対話は実に深さにおいてグールドは上気しているのだ?。
そのな中で、DVDを楽しむことが多くなった昨今、スクリーンでのレトロスペクティブな試みはグールドをはじめ明日上映のリヒテルを納めた企画は、楽しくも刺激的だといえる。こんな資質の演奏者(表現者)もいてもいいでないか。ともかくいろんな人がいていい。

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