emmaus.hatenablog.jp

“だれ一人自分のためにだけ生きている人はいない”

似ている声

朝ご飯を食べて居ると、お勝手の奥からトントントンという包丁の音とともに「ねえ、庭にホトトギスが咲いてるから・・・」と家人の声がした。だがその声が嫁いだはずの娘の声に余りにもそっくりなんで驚いて覗いてみたら、やはり当然女房だった。
何も言わずにまた食事に戻つたが、味噌汁のネギをこちらに持ってくるやボクが女房のその顔をそれとなく見つめたもんだから、「どうしました?」とボクが逆にじっと見られることになった。別にというのもヘンだから「元気なんだろう?Iの方は?近頃?」と食事をしながら話しを促すと、まるで女房は先ほどの顛末を知っているかのように、「Iたら、むこうで、私にそっくりって云われるみたい」と平気な顔で云うから改めて家人の顔をまた覗いた。その後女房ときたらいつものようにまた果てしなく脈絡もないいろいろな話になって来たので、「そう」や「ああ」、「うう」と云って聞き流していた。やっぱり娘から話を聞いてるようで妙な気持はしばらくなおらなかった。まったく今日に限って何だろうかよく分らない。庭に出てみたらもういくつものホトトギスのつぼみが膨らんでいた。