Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

雨もまたよし

日に10km週に一度休みをもうけて月には300km位は走っていた頃、その中に雨の日もあるわけでどうしていたかというと、雨が本降りでも走っていた。濡れても全然気にはならなかった。別段走らねばと嫌々やっていたのでもない、かえって雨で調子が上がるくらいだった。これは山に登るのも同じで、悪天候で景色が見えなくとも問題なく楽しかった。所謂ランニング・ハイの身体的快楽だけを得ようとしているかは分からない。でもハイになっていけばいくほど、気持ちが澄んできてたまにある種の悟りのような眼差し(洞察)のようなものが出来てくるのは確かだった。きっと見える行いを通して見えぬものが分かることを、苦しみを通してではなくせめて快楽によって掴みたいと体そのものが要求しているフシがある。ボクの場合はフィジカルとメンタルの関係は複雑のようで単純だ。体が精神を裏切ることは稀で、寧ろ気持ちが先に萎えて体を裏切ることの方がほんとうのようだ。今は月の総計は減ったが雨の走りは25年このかたかわりない。