Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

山は急峻でなだらかに丘は続く

三上さんが杉浦康平について書かれている。http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20080506/1210079427。ボクはふと折口信夫の「死者の書」を思う。杉浦は眼に拘る、自らの視の限界においても。彼は極度に視力が悪い。「見ることは何か」とデザインに必用に関わる。実はボクの眼はやや赤と緑の区別が付きにくい。いわゆる「色弱」だ。さらに深視力のレベルが悪い。立体と遠近を見る力がない。デザイナーとしては欠陥(マイナス)だ。色より光を求める丘。線は際立つ。山は急峻だがなだらかに続く丘で杉浦は「わが心ブータンにあり」だと云った。ボクも何事もなくデザインの仕事を30年やって完了した。今だから云えること。
死者の書・折口信夫 - Emmaus’