これもありだね 音楽ののりしろ
三日前の夜だったか、ふとiTunesコントロールを開いて、シャッフル・オンにし、リピートをすべてにした。シャッフルだから普段は聴かない曲がながれてきたが、しかし、これらはかつて一つひとつ自分がダウンロードした曲だ。謂わば、偶然は必然の結果だということなんだね。それぞれに思い出のある曲だがやけにどれも新鮮だった。たまにシャッフルしてみるのも良い。思ってもみない音楽の歓びに辿りつけるかもしれない。
ミュージシャンは
思いつくままに印象を書いてみよう。
さて一曲目はカトリーヌ・コラールのシューマンのピアノ・ソナタ。1974年の録音。1974年この時ぼくは何をしていたのだろう。むろんカトリーヌ・コラールは知らなかった。音楽の録音会社でバイトをしていたのだろう。アシュケナージのショパンのエチュードが発売されたころだろうか。
カトリーヌ・コラールというピアニストはハイドンのような古典派でもロマン派でもなっとくできる表現をもち合わせている演奏家で、自分の一つを譲ることのできる叙情とでも言ったらいいのだろうか、晩年にはナタリー・シュトゥッツマンの伴奏ピアニストとしてその地位にいただけはあるのだと思う。素晴らしい内省的なピアノの感性だ。
シャッフルの二番目は、ジャズののノラ・ジョーンズのCome Away With Me 甘い恋歌。女性がCome Away With Meというのだ。へえーといった感じ。唄だけの世界に留めておくべきだ。(笑)この手の誘惑は何度も聴くと嫌気がさす。
三番目には、モーリス・ラベルのピアノ三重奏曲。パスキエ/ピドゥ/ぺヌティエ。これは昔からよく聴いたなじみの曲。今も聴く。
4番目はBill Evans TrioのHow Deep Is The Ocean 。なんとも知的な音楽だこと。でも、あたまだけの音楽でない、ハートがある。
5番目はグレン・グールドのモーツァルトのピアノ・ソナタNo2。良い。
最後の6番目は、シュ・シャオメイのバッハのゴルドベルク変奏曲。一度機会があれば生の演奏を聞いてみたいピアニストだ。
さて、このシャッフルをリピートして何度も聴くと、その印象がさらに増幅されてくるのが面白い。