Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

このへんのこと2

叙情を敢えて歌うなと云ったのは確か中野重治だった。秋ならばこそ月を見てふとそう思う。その秋も一雨毎にというが・・・まだ桜の葉さえ色づいてない。東京で一二番に植木や苗作りの多いところがここ国分寺だ。旧鎌倉街道*1あたりに行くと武蔵野*2の面影がちらりとあったりする。それでも以前より緑がずいぶん少なくなった。
この前ソヨゴの実が色づいていたら、じきに木の実がいっぱい落ちた農家の軒先にカラスウリが下がっていて唐辛子もたくさん並んでいた。やはり色づく秋だ。今年も唐辛子を分けて頂いた。脇道には米粒を固めたような蓼の赤が目に映った。こうして色もつかないと通りすがりでも分らないニチジョウの草花たちだ。はてなフォトマップ記法やってみた。

  • 唐辛子晒す笊にぞ朝日射す
  • 深秋の武蔵野にありし忘れ傘
  • 汁作る思い浮かんで茗荷採る
  • 今ここぞ地上に弾けた木の実たち
  • かの人がおまえ歌うなと赤まんま




*1:鎌倉街道はここいらでは府中街道に沿って名残がある

*2:武蔵野とは所沢の小手指原あたりのことをさすらしい、また等高線70MMあたりを辿ると丘陵の裾がきっくりと浮かんでくる