Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

ケーテンの音がする


着実に活動を続けている渡邊順生氏企画・指揮の「横浜・山手プロムナード・コンサート」に11/12土曜に行ってきた。
http://www.alquimista-mr.com/yamate_prom006.html
演目はJ.S.バッハブランデンブルク協奏曲(全6曲)BWV1046-1051。ブランデンブルグ辺境伯は何よりの音楽好き。熟達していた楽士を抱えていた割には当時ケーテン候は宗派がカルヴァン派でもあったわけで教会音楽を日常として書けなかったらしい・・・。よって献呈というよりも生活を変えるべく転職を望むバッハ自らのプレゼンともとれるような天こ盛りのガンバリ!が伺える。
これらの曲(ブランデンブルク協奏曲)は新作ではなく、バッハはヴァイマール頃の曲の自信作をセットしたものといわれている。それにしても楽器の編成や楽曲の展開にも磨きを上げたに違いない。バッハのバランス感覚がよく表れている。
第二番のトランペットとリコーダとオーボエ、ヴァイオリンの4つのソロ楽器の調和が絶妙で、ブランデンブルグ古楽器トランペットのライブが未体験だったのでともかく新鮮だった。
また、六番のヴァイオリンを除いた中低域弦楽器だけでの、第一ヴィオラ第二ヴィオラとチェロとヴィオラ・ダ・ガンバの演奏が珠玉だった。あの頃、当時ケーテン候がヴィオラ・ダ・ガンバを担当したのなら、バッハが第一ヴィオラと奏でていたという。
それぞれ楽器によって音の出にくい音域があるし、楽器そのものの音量も小さいという古楽器ならではの制限で小ホールの演奏となった。またチェンバロはチューニングに余念がないという近代の楽器とは違うけども、暫し古楽器の佳さに耳を傾けた。音楽そのものを楽しく味わった。
そういえば、バッハは一度も生涯ドイツ(プロセイン)から外に出ることもなくあこがれのイタリアにも行かなかったのだね。そして今のこの現代で世界中で彼の曲は奏でられているのだね。ふ〜ん何だかな!?。不思議だね。