認知と創造性
スイスの玩具メーカー“ネフ社(naef)”は玩具業界に留まらず、半世紀の間デザイン領域においてもすぐれて大きな功績を果たしてきた。「独楽」による色相と色彩を一度に認知させるカラーリングのプロダクトには唸ってしまった。スペクトルの色帯に対応する円環はヨハネス・イッテンの生まれたこの地スイスと符合する。以前のようにプロダクトものの仕事は少なくなったが、その影響はボクには今なお大きい。
http://www.naefspiele.ch/home_english.html
http://www.naefspiele.ch/home-wir.html
- 見ること
- 触れること
- 知ること
- 思うこと
- 理解すること
- 今ということ
視覚と触覚を通した対象への認知インターフェイスは、創造としての感性力の中心を育ててくれる。まさにそこに言葉そのもの-つまり偏見のない事実そのものに対する認識-を紡ぎ出してくれる。
だが本来「教わること」と「知ること」は一体であるはずのものが、何故か現実は奇妙にも、質の高い"Educational Play"というものが子供だまし?の教育(教えること)管理の実験的教材の一つになる国もあるという。更に思わぬことに、創造性を育むという純粋に教育的な観点に立つ問題がいきおいその国の教育制度の批判するものとなってゆき、教育行政者対進歩的教育者という学校教育の政治的構図に曝されるのは実に不幸である。皮肉にもその国の教育に対する国民全体の考え方をよく表している。
まあそれはさておき、こんなにも豊かな「表現」という自由があるということを今一度確認しておきたい。これもヨーロッパの文化一つなのだが・・・。ネフ社は生産中止な商品に多く何度となく深刻な経営危機を迎え、今新たな経営を模索しているようだ。エールを送りながら注視していたい。
そんなネフ社のサイト