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“だれ一人自分のためにだけ生きている人はいない”

京都の漬物屋の大藤の紙でブックカバーをつくった

座右の書というわけでもないが、バッグに収めていつも持ち歩いてる本に安東次男の「花づとめ」という本がある。

この文庫本の装丁が気に入って、それを覆うのが偲びなく絵が見えるようにと半透明のパラフィン紙を使ってきた。擦れる毎にパラフィン紙を取り替えたが、やはり外装が傷んできた。

既に廃版で、もう一冊古本を購入することした。装丁が見えるのは家用に、持ち歩き用の方はカバーにした。これ以上傷まないようにとしばらく思案したが、ならばいっそうしっかりしたものにと、京都の漬物屋の「大藤」の丈夫な紙袋が最適だと思いつくってみた。でき映えは想像していたよりかった。何でもやってみないと分からない。あと10年はもってほしい。ぼくが81歳までは。

さて、この本のある章に「孤雁」というエッセーがある。

一読心底にとどく句というものは、見た目には何の奇もなく瞭かなもので、心底にとどくということは説明の外にあるから、これは凄い句と言うほかはない。

寒雁のつぶらかな声地におちず 飯田蛇笏

安東次男も酢茎のことを書いているので、この漬物屋の大藤のカバーならばきっと喜ぶに違いない。