Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

イクラと雲丹とモーツァルト

手をついて見よとや露の石ぼとけ (安東次男) 音と音楽の追想 河岸を歩いてみた。水が少ない。とどこおることない川瀬の渇く音。その音が遠く対岸を過ぎ行く車の音に重なる。 道が河岸から逸れたので草叢に入る。一歩ごと草をかき分ける音がかえって静けさ…

他者とともに

花が咲いている すぐ近くまで 虻の姿をした他者が 光をまとって飛んできている 私も あるとき 誰のための虻だっただろう あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない 吉野弘