Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

聴くことと述べること

ある事柄が話し手の歴史や経験であったとしても、聴くことは結局聴き手の自らを語ることでもあるのだ。「何が聴けたか?それが何なのか?」。様々な発話情報のタグやメタの述定の関わりを読み解きながら、生き生きとした発話者の空間に聴取者も招かれてそこ…

神を信じる者と信じない者

「はちことぼぼるの日記」のブログに 無神論者との対話というエントリーがあります。とてもよかったです。以前↓これもよかった。参考までに。この本のタイトルはアラゴンの詩〈薔薇と木犀草〉からとられていて、因みにこの詩はキリスト者とコミュニストの友…

子規

ここのところ子規の随筆を読んでいる。読む楽しみそのものを与えてくれる。 筆まかせ抄 (岩波文庫)・松蘿玉液 (岩波文庫)・墨汁一滴 (岩波文庫)・病牀六尺 (ワイド版 岩波文庫)・仰臥漫録 (岩波文庫) むろん病牀六尺の身の上であるものの、子規の器量の大き…

自己

海を渡る蝶がいるという。そして、梅雨が露によってさらにぬれてここに於いて(この場に)晒されている。蝶が翔びたつ。一斉に水は雫を表す(水粒になる)。一滴あっての水ではない。水あっての一雫ではない。多でもなく個でもない水のふしぎ。水が水にぬれ…

このへんのこと5

舞ひ翔ぶやしとどの露より蝶が立つ 水盤や赤絵の色がましぬれる いや白しは短夜の露の匂かな 六月の雫におのれを映しゆく 人無くも有を知りたる露台かな 明け朝に既に滴り釣荵 すがしくも単衣の老女と会釈する 地下鉄に身すがら老婆が単衣物

与えられたもの

〜新しさと記憶について〜 分化 雨が強かったのか。風が烈しかったのか。草花のぐったりと萎えた静かな朝だった。その回りには未だに妙に生気が漂っている。吐息が聞こえるようだった。植物には息づかいというものがあるに違いない。雨風の勢いというよりも…

新しいいのち

長女誕生 - KIYONOBUMIEリール遊民夫婦(ふ)さん(き)さんに新しいいのちの誕生。 いいですね。ボクも何だかその喜びを分けてもらったようでうれしい。 生まれた日からこんなに表情が豊かなものでしょうか。笑っているように見えたり、難しそうな顔をした…

祈りについて・シーニュを越える

水が「み・ず」という響きと同じくらい水が好かった。 海が「う・み」という響きと同じくらい海そのものが好かった。年を経たある日。 I・N・O・R・I にであった。 ずっとまえからボクの中にあったのかも知れない。 だがそれは、 I・N・O・R・Iが 事(こと・w…

このへんのこと4

という訳で昨夜遅くプールによった。何だか銭湯に寄った感じで落ち着く夜のプール。 なんせ我が名の一字に「川」という文字がある。うちの先祖は九州の大きな川の傍だったというのはほんとうだ。だから志向が殊のほか水系らしい(どんな志向か)。名は態を表…

おさかなになる日

夜遅きプールの底の水やさし 六月夜飛び魚らが我を解く 水負うたスイマーの息弾む夜 微笑する夜のプールの魚たち仕事帰りの途中に偶に思い出したようにどこかのプールでさかなになる。ふと思い出したようでなければならないさりげなく。ゆっくり長く。さらに…

結び直す

もう一度丹念に「在ることの驚きの中で」高野喜久雄を読んでみる。 「見るためには、眼を閉じねばなりません」と言った人もいました。眼を開き眼を閉じて、結局のところ私達は何を見るのでしょうか。「在るもの」、「在ること」の不思議、その驚きの中で、私…

ミスはつきもの

はるるさんのところのエントリーに肯いてしまった。ミスはつきもの - はるるの勝手に独り言サッカーの代表監督ジーコの言葉。 「日本では完全であることがすべての基準。でもサッカーにミスはつきものなのです。」 そうだよね。実際「ダメからはじめて良くな…

夏1

若竹がその身を越ゆる蒼さかな 紫陽花の蕾の上なる鳥の空 衣替えすれば涼しき朝の径

清岡卓行

先だって高野喜久雄 - Emmaus’が亡くなったことを知ったその日、6/3に清岡卓行が亡くなられたのだ。現代詩初期を担った方々が逝かれるのが目立ってきた。 どこから世界を覗こうと 見るとはかすかに愛することであり 病患とは美しい肉体のより肉体的な劇であ…

高野喜久雄

id:mj_thereseさんのページで知りました。http://d.hatena.ne.jp/mj_therese/20060601典礼聖歌で馴染みの曲高田三郎氏作曲の「父はいる」「呼ばれています」「イエズス・キリストへ」の作詞をされた詩人の高野喜久雄氏が先月始めにお亡くなりになられました…

低気圧Takashi

今日は何の日?だなんて云われてもな。衣替え?ともかく今日六月一日は気象記念日だそうだ。よく分からないけども。 で気象予報士の橋本隆さんが去年、なんとドイツの命名プログラムで低気圧に自分の名前をつけたそうだ。 名前は「Takashi」。 さて、名付け…