Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

新明解国語辞典第8版机上版購入

三省堂新明解国語辞典の第8版机上版が出たというので、隣町まで行った折、本屋でじかに手にしたが、しっかりした製本に納得。購入した。

辞書は世に連れ、世は辞書に連れというかはわからない。 ともかく、時代や社会の変化とともに言葉は変化する。 三省堂新明解国語辞典の特色は生きた言葉の本質をとらえた語釈と用例として、改訂毎に新語増補してきた、生きた考える辞書を旨としている。 その語釈の例としてよく参照されるのが【恋愛】の項目である。

かつて、第4版では

れん あい【恋愛】―する 特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持を持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。「―結婚・―関係」

『新明解国語辞典』第4版が家に43冊ある豊かな暮らし - 四次元ことばブログ

第7版では

れん あい⓪ 【恋愛】 ━する(自サ) 特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。 「熱烈な━の末に結ばれた二人」 「━結婚⑤・━小説⑤・━至上主義⑧」

今回の第8版は

れんあい⓪【恋愛】 ━する(自サ) 特定の相手に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。

第7版までは対象者が「特定の異性」語釈であったが、第8版では、今の社会を反映した語釈の「特定の相手」という改訂がされているのは、その好例である。

デジタル辞書は利用頻度は多いが、印刷製本は言葉を味わい読む楽しさがあっていいものだ。