Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

Ibrahim Ferrer

Buena Vista Social Club Presents Ibrahim Ferrer

Buena Vista Social Club Presents Ibrahim Ferrer

歌を聴きたい。

70歳を過ぎてのCDアルバム・デビュー。キューバ音楽「ソン」の即興歌手イブライム・フェレール(Ibrahim Ferrer)。昨年夏亡くなった。デビューアルバム表紙の写真。何ともいい顔したじいさんだった!!


歌い手としては長く辛い生活がつづいて、注目を浴びたのはこのアルバムのバックをつとめているBUENA VISTA SOCIAL CLUBのアルバムのソローネに採用されてからだ。抑制した豊かな情感、時に見せる切ない艶やかさがどこか懐かしい。長い時を経てなお現代の音楽市場というところから隔絶してこのような洗練されてファンキーな(イカシタ)音楽があったとは、いっぺんに魅了されてしまったのだ。
音楽はソンやマンボ、ボレロのバンド音楽、歌詞は男女の恋愛や失恋の内容で、甘く感傷的でとりたてて云うこともないが、8曲目の「Silencio」はオマーラ・ポルトゥオンドとのデュオ。二人の歌が醸し出す孤独や魂の寄り添いが、その彩の明暗が情緒よりもある種の精神を感じさせもする。なんともいい*1。なほアルバムはじめ「ブルガ・マグニア」スペイン語とアフリカの言語が混合した言葉として歌われている。苦役から逃れる黒人奴隷の歌った詩。上記のアマゾンでは試聴も出来る。音楽自体はBuena Vista Social Clubの方が完成度は高いかも知れない。たまに思い出してはこのアルバムを聴いている。
窓からは夏の陽がまだ強い。南に行きたくなったわい〜。