冬の北のステラ
冬空やドゥーベ七つのステラを述べ
夕方に早々と東の空に大きく暈を被ったまん丸の月が出ていたのだ。今夜は遅くに仕事を終えたので一息ついてふと何気なく外に出てみたら果たしてやはり空の真上より西に月は既に回っていて、まだ明々ともえているようにみえる。
だがその明るさより冬の空は澄み渉って南にオリオンを懐いた冬の大三角形。北におおぐまの星群の、柄杓を構成した七つの星々が冬の天空の煌めく星屑の中で一層くっきりと形を顕しているではないか。
先まずはドゥーベ、メラク。フェクダ、メグレス。そして次ぎにアリオト、ミザール、アルカイド。繰り返し何度も七つを言ってみる。ドゥーベ、メラク、フェクダ・・・。春の七草の名を諳んじるように・・・。ミザールの連星は見えるはずもないが、暫くじっと見つめた。やはり見えない。星に願いをと思ってるかと自分を笑う。おやおや。家に入ったら気持ちも納まって体の冷たさえ覚えたのでお茶をと思ったが止めにする。紅茶にはジャッピングをするということを、ある所で読んだのをふしぎと思い出している。こんど試しにやってみようか。落ち着いてこの冬をゆっくりくぐっていこうと思う。