妹が逝ってしまって五日目の夕。 夜勤明け、わたしは 川沿いの18キロのトレイル・ランに出た。 きーんと張りつめた こがね色の大空を、 聴いている。きいている。 そのわたくしの裡に <大きな森の夜の背後>が聞こえた。 鹿は 森のはずれの夕日の中にじっと…
駅前でスピーカー越しに何かを訴えている人がいる。それに立ち止まり耳を傾ける人。素通りする人。語ることは不特定の他者を描くことでも成立するが、しかし聴くことは発話す一人のその人自身を認めないと成り立たない。 先月末、わたくしの義理の妹が逝って…
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