Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

「手の変幻」

karposさんがここのところミッシェル・ド・セルトー「信じるという脆さ」1祈りのうちにある人<所作の木>を続けられている。祈る木 ① - karpos’s blog。所作を含む祈りの身体性と祈りの全体性あたりに関心があったので興味深く読んでいる。 「手」にまつわ…

西田幾多郎

松岡正剛が西田幾多郎を言及している。ついに入ったか。http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1086.html 私が世界に絡まり、世界が私を継続させる。その一体としての目覚めは領野を俯瞰し山容を眺望することではなく現実の只なかでの次に地点-というよりも…

息の転換・パウル・ツェラン

パウル・ツェラン全詩集〈1〉作者: パウルツェラン,Paul Celan,中村朝子出版社/メーカー: 青土社発売日: 1992/05メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (5件) を見るおよそ本来的な<私>自身などというものはなく、他者においてこそ私である…

Amazon「なか見!検索」

あるトピックに関する内容の本を探したいと思ったりすることもままある昨今。たぶん読者諸氏もそのはずだ。 そんな要望に応えてくれる-本の内容をも検索もできる-ものが出来たそうな。いわゆる本の立ち見ができるという訳だ。

告白

アウグス ティヌス 告白 (下) (岩波文庫 青 805-2)作者: アウグスティヌス,服部英次郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1976/12/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 13回この商品を含むブログ (24件) を見るアウグスティヌスは主に向ってこう云う 「すべ…

 驢馬の鼻唄

崔華国(チェファグク)の名を知ったのは崔氏がH氏賞を受賞した頃だったろうか・・・。 この詩集「驢馬の鼻唄」に〈荒川〉という詩があって、望郷の唄のようだが。格別この韓国語のラの音の処が何度詠んでも好い。本来、詩の音の響き自体は読み手の感覚に負…

我と汝

我と汝・対話 (岩波文庫 青 655-1)作者: マルティン・ブーバー,植田重雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1979/01/16メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 49回この商品を含むブログ (44件) を見るインターネット神学 「あなた・わたしの属性に関する雑考」の…

暮らしのテンポ

岩波文庫の編集部から不定期で「読書のすすめ」が無料で出ている。その第10集目に角田光代さんが「本のリズムと、暮らしのテンポ」というエッセーを書いている。本が持っているリズムは生活のテンポとの相性で決まってくるという。満員電車待合いの喫茶店…

方法序説

方法序説 (岩波文庫)作者: デカルト,Ren´e Descartes,谷川多佳子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1997/07/16メディア: 文庫購入: 31人 クリック: 344回この商品を含むブログ (203件) を見るここのところデカルトの「方法序説」をいつも持ち歩いては時間が…

エックハルト説教集

小平小景エックハルト説教集 (岩波文庫)作者: エックハルト,田島照久出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1990/06/18メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (21件) を見るマイスター・エックハルトの「離脱」はボクらに〈神など知ること…

心通じあうこと

人間の土地 (新潮文庫)作者: サン=テグジュペリ,堀口大学出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1955/04/12メディア: 文庫購入: 27人 クリック: 223回この商品を含むブログ (200件) を見る ぼくら人間について、大地が、万巻の書より多くを教える。理由は大地が人…

失はれた酒

ある日 大海原に (どの空の下であったか) 「無」への供へにいささかの 惜しい酒を注いだ・・・・捨てたかったのは誰? 占ひのままのわれか? 心の憂ひに血を思ひ、 葡萄の酒を投げたのか?薔薇色のくゆりの後に 馴染みのもとの透明を 取り戻して海は澄んだ…

「伝説」会田綱雄

湖から 蟹が這いあがつてくると わたくしたちはそれを縄にくくりつけ 山をこえて 市場の 石ころだらけの道に立つ蟹を食うひともあるのだ縄につるされ 毛の生えた十本の脚で 空を掻きむしりながら 蟹は銭になり わたくしたちはひとにぎりの米と塩を買い 山を…

時間

時間とは人間にとってもっとも深刻かつ悲劇的な気がかりである。唯一の悲劇的な気がかりといってもよい。想像しうる悲劇のすべては、時間の経過という唯一無二の悲劇へと逢着する。時間はまたあらゆる隷属性の源泉である。パスカルが深く感じとっていたよう…