ぼくの密かなカレー時間
今日はカレーのお話。「ガラムマサラ」は国語辞典にも載っている言葉です。ですから、この国に立派に定着している言葉だということが出来ます。
新明解国語辞典 ガラム マサラ④ 〔ヒンディー garam masala=辛い混ぜたもの〕 インド料理に使用するチョウジ・カルダモン・シナモンなど数種のスパイスを混合した香辛料。
明鏡国語辞典 ガラム︲マサラ garam masalaヒンディー [名]クローブ・カルダモン・シナモン・ナツメグなどを主原料しゅげんりょうにする混合こんごう香辛料こうしんりょう。主おもにインド料理りょうりに用もちいる。 ◇ガラムは辛からい、マサラは混まぜ合あわせたものの意い。
広辞苑*1 ガラム‐マサラ【garam masala ヒンディー】 (ガラムは熱い、マサラは混ぜ合わせたものの意)インド料理に用いる混合香辛料。クローブ・シナモンなど数種類の香辛料を調合して、粉末にしたもの。
ガラムマサラはカレーに使うミックス・スパイスです。カレーとはタミル語で香辛料をまぜた汁という意味です。ちなみに、インド、パキスタンにはカレーを作るカレー粉はありませんが、ミックス・スパイスのガラムマサラはあります。
カレーというのはスパイスをいろいろ調合して自分の好みの料理ができる、楽しさと自由度満載の料理です。「本格」ということが何を指しているかさっぱり分からない某「本格インドカレー」まである日本。酸っぱいもの、辛さ、濃厚なのも、さっぱりしたスパイシー系などなど、なんでもござれ。決まりのない手前カレー。人のことはよく分かりませんが、少し自由な時間があれば、ともかく密やかに自分でカレーをつくるのが一番です。
飛びやすい香りのスパイスは、食べる直前に少し炒ってからカレーに入れるようにしています。ガラムマサラというミックス・スパイスを一度につくっておくと他の料理にも使えます。記憶が薄れつつある年頃ですから、その密やかなものをこの際オープンします。ここに記録しておきます。
初めてインド系のスパイスの深さを知ったのが、ベルギーのブルージュでした。イギリスからドーバーを渡り、オステンドの次の街でした。インド料理専門店ではなく、地元のレストランでした。オマール海老スープをベースしたココナッツミルクのピューレ。濃くはなくあっさり気味で、レモングラスが爽やかでした。カレーへの目覚めでした。それ以降、海外旅行では必ずインド人街のスパイス店に訪れたものです。 あれから興に乗ってた頃には、近所の人や友人にもマイ・ガラムマサラを贈ったこともありました。ほぼ好ましく思われたようです。以来、40年好みも違ってきましたが、ガラムマサラのカレーの恩返しは今も密かに続いています。