Emmausブログ

人は見ね/人こそ知らね/ありなしの/われは匂ひぞ/風のもて来し

風景

秋は夕暮れ

日が暮れるのが早くなった。今の時期は五時半くらいに落ちるのか。それに芒が西日に映えて揺れて、萩の花も咲きいっそう秋の雰囲気を醸し出している。 これじゃ清少納言さんでなくても、誰でも普段の日常のなかでも秋の風情も、更に日の入りも目にする機会が…

友よ

佇んでつるべ落としに友といる 後一日で十月だ。すっかり日が沈むのも早くなった。親しかったともだちのことを思った。きっと元気だろうと。

夏の釣り人

一竿や描く円弧に空の青

ハルさんが遺したもの

emmaus.hatenablog.jp ハルさんが遠くに旅だって二年。よくハルさんのことを思い出す。目が不自由で寝たっきりだったが、いつも変わらぬハルさんの和やかさ。ハルさんは多くを語らない方だった。何を話したとか何を伝えたということより、表すことのできない…

夢に不要不急はない

街を歩こう 目的のない街歩き 気持ちが開く ふさわしい季節は五月だ 街を歩くゆえに街あり 人は歩くゆえに人なり ワクワクする めずらしく おもしろいものに出会う そんな夢を見た 夢に不要不急はない 夢に偽りはない

名づけられたもの

「ー」「呼ばれています」「イエズス・キリストへ」合唱「水のいのち」などの歌を作詞をした詩人高野喜久雄氏の言葉です。 名づけられたものはつねに結ばれつつそれぞれの名を超えようとします。「結ぶ」ことは「共に・生まれる」こと、聖なるものに向かって…

静けさという新しい選択

新しいものに輝きを感じる時 四月に入り職場に介護職の新人がやってきた。ピカピカして輝いている。僕の孫くらいの歳だ。若いっていい。志をつらぬいてほしい。 舊いものに輝きを感じる時 道具は使いなれた馴染みのものがいい。だが何は廃れる。お決まりの原…

春の蕪は冬ほど甘みがないが...

春の蕪は冬ほど甘みがないが柔らかい食感を楽しめる。 剥いた皮を使って即席漬けを作ってみた。 青柚子も出回りだした。 柚子蕪の方は甘酢でつける。家の定番だ。これは、いつも調理担当は僕になっている。

何もないところに変化は起きない -記憶のあやとり-

記憶を辿ろうにも以前のことが思い出せない。年とともに記憶が薄れて来たのだ。通常、認知症は短期記憶が衰え長期記憶は大丈夫なのだが。 記憶が薄れるなかでも、この時われわれはおのれの可能性を見出そうとする。年老いてもなお、それはけっして自分にたい…

冬のマーチングバンド

幾層もの薄紅の雲の合間から夕陽が河岸を照らしていた。昼間に雪の降った翌日のことだった。 対岸の草はらには子供たちが一つに列をなし西に向かって立ちすくんでいた。 鴨は川面で動かず、辺りの空気はキーンと張りつめていた。 子どもらは凛々しく面をあげ…

100年目の風景

▪️ハルさんのこと この世の支配者は「時」であって、(きみが)王であれ奴隷であれ、時がきみの命を吹き消すとき、あらゆる苦しみと喜びは夢のように、あるいは水のように消えてゆく。だから、王であれ奴隷であれ、良い思い出を遺す人こそ幸福なのだ。-フェ…

鷺とブルックナー

ダブルV列しこ鷺が秋の朝 中山さん(id:taknakayama)がブルックナーの四番をある時いろいろ聴かれていたという。それはそれでとても素敵でわたしはしみじみ感じ入った。あの曲もいいよと思った。でもわたしの手元にはそれがない。だからではなく、こんど中…

人も音楽も<あるところに>向かう

音楽はどこへかに向かう。そして人もつねにどこかに向う。「グールド(グレン・グールド)はグールドである」と言ってわが道をゆくアンジェラ・ヒューイットのクープランがこれまたいいのだ。因みに彼女もグールドと同じカナダの産。六年くらい前ある切っ掛…