emmaus.hatenablog.jp

“だれ一人自分のためにだけ生きている人はいない”

ふたたびクマのプーさん展へ

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでやっている「クマのプーさん展」にまた行ってきた。 東京の展覧会閉幕まであと4日。来場者多さにびっくり。はじめは二月、今回で二度目。うれしさが初めの時の倍いじょう1。 見どころは原画 童話「クマのプーさん」、プー…

真夜中に・・・そしてマーマレード

休日前の夜は特別な事をしている訳でもないが夜更かしをすることがたまにある。たぶんゆっくりとした時間の過ごし方が心地よいのだろう。読みかけの物語り本も面白いがあきてしまった。窓を開けると昼から絶え間なく降り続いていた雨も止んでいる。家人も寝…

塩一トンの読書・須賀敦子

塩一トンの読書作者: 須賀敦子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2003/04メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 19回この商品を含むブログ (22件) を見る きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いてけるはずだ。そう心のどこかで思いつづ…

永瀬清子・あけがたにくる人よ

永瀬清子という詩人をご存じだろうか。岡山の在の詩人だった。「トゲありてこそ汝はバラ」という言葉を残された。かつて宮沢賢治追悼会に出席した中で「雨ニモマケズ」の最終稿の発見にも立合われたという逸話があった方。書けぬ時を耐えて御年81歳の時の198…

木綿以前の事 柳田國男

柳田國男、大正十三年の発表のもの。木綿以前の事 (1955年) (角川文庫):角川書店 木綿以前の事 (岩波文庫):岩波文庫 木綿と瀬戸物への我々の内なる記憶。季節はもうすぐ五月。 洗い晒しの白の綿のワイシャツ。・・・。薫風。木綿のシャツの風合いが快い季…

「もうひとつの空」有元利夫

もちろん空は一つだけど、もうひとつの空があってもいいのではないかな。それがどこかで繋がっていればいいのだ。そんな思いで久しぶり「もうひとつの空」画文集を取り出してみた。ブロックフレーテを吹く作家だった。知ったのは丁度安井賞の特別賞の頃。あ…

森敦・月山

若い頃一時期よく山形や秋田の山に行った。とりわけ山形と秋田の境には深くていい山が多い。月山もその一つだ。人の一生というものは物語の作品だと言えなくもない。ボクは運命論者ではないが、ある流れというか道というかある筋書きがあるように思うことが…

島尾ミホ

島尾ミホさんの訃報。あんとに庵さん(id:antonian)からのエントリー奄美島人の訃報 - あんとに庵◆備忘録で知りました。ミホさんの作品「海辺の生と死」「ヤポネシアの海辺から―対談」。奄美の昔話など。今、改めて読んで居ります。幾つかの死の縁取りとある…

正木ゆう子・静かな水

朝、テーブルの上に何気なく一通の葉書が置いてある。この春、北の方に着任した友人からの便りだ。「これ?」と葉書を振ると、「あら。昨日朝、あなたに言ったのに。届いてますって」とカジンはつっけんどんに訝しむ様子。葉書の裏を返すと余白に やがて真中…

「草枕」三辺の世界・非人情からの眺望

私たちはどこに行こうとしているのか。電車を降りて歩く・・・。冬の冷たい風が戻ってきた。駅前の広い通りに面したサテン(茶店)。北に向いた店の表の窓硝子に空がくっきり映っている。きっと店の軒端の椅子に坐ると春に霞む青い大きな空がよく見えるに違…

On Late Style: Music And Literature Against the Grain

しばらく生業を忙しくしてゐました。相変はらず誤字脱字アーティクルにようこそ。ぺこ!◆先ずはじめに辛いお話からです。 E W.Saidの翻訳者「人文学と批評の使命」村山敏勝氏が昨年2006年10月亡くなられました。 享年38歳。お祈り下さい。◆自分の英語力のス…

マルツィン・アフデェーイチの信仰/眼差しのある情景1

かつて「マルツィン・アフデェーイチの靴屋の物語」のあらすじとそれに即したことを書いたのですが、読み返してリニューアルしました。こちらにアップいたします。一日おそいですが、さしずめ皆さんへのクリスマスプレゼントになればいいなと思っています。…

The important book・あなたはあなた

以前のエントリーを手直ししました。HPからの移植バージョンアップ。 Margaret Wise Brownが書く子供のための本。私は好きだ。読者対象が4歳から8歳だ。タイトルは「The important book」 あなたはあなた、それでいい・「わたしとのいい関係」 - Emmaus’

地の掟・辻邦生著 ある山里の物語1 

乾いた岩の丘の風景。「サント・ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」。印象派セザンヌの絵。対象を気韻の表現と捉えたもの。その風景画を辻が物語りとして解きほぐす。辻邦生著 十二の風景画への十二の旅 (1984年) の一つ「地の掟」を読んでみた。絵から…

子規・振幅と気魄

六月の頃からポツリポツリと行きつ戻りつ、子規の「筆まかせ抄」を読始めて、彼の死の前年から表わされた「墨汁一滴*1」「仰臥漫録」にどほやらこの十月に辿り着ひた。http://d.hatena.ne.jp/Emmaus/20060620/1150848862その当時、彼はすでに左右の肺は大半が空…

色を尽くす

日本の色 (コロナ・ブックス)作者: 谷川渥,狩野博幸,白石かずこ出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2006/09/26メディア: 大型本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る「かさねの色目」が興味深い。やはり、日本の伝統色は絹染めにおいてこそ特色が表…

死者の書・折口信夫

初稿・死者の書作者: 折口信夫,安藤礼二出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2004/07/01メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (14件) を見るこの暑い時にこそ一冊の本をじっくり読み返すのもいい。「死者の書」。「盆(盂蘭盆)とは、いつもの…

子規

ここのところ子規の随筆を読んでいる。読む楽しみそのものを与えてくれる。 筆まかせ抄 (岩波文庫)・松蘿玉液 (岩波文庫)・墨汁一滴 (岩波文庫)・病牀六尺 (ワイド版 岩波文庫)・仰臥漫録 (岩波文庫) むろん病牀六尺の身の上であるものの、子規の器量の大き…

清岡卓行

先だって高野喜久雄 - Emmaus’が亡くなったことを知ったその日、6/3に清岡卓行が亡くなられたのだ。現代詩初期を担った方々が逝かれるのが目立ってきた。 どこから世界を覗こうと 見るとはかすかに愛することであり 病患とは美しい肉体のより肉体的な劇であ…

Out of Place: A Memoir

Edward W. Said境界に立つ者は内にありながら常に外に居るのではないだろうか。エドワード・サイードは嘗てボクらに問うた。というのも、まさに人生は出発と帰還の連続だから。サイードは西洋知において「オリエンタリズム」の偽装を見いだして、西洋と東洋…

アマゾン・タイプグラフィック

アマゾンで検索できそうなもの(本・音楽CD VIDEO)をフォームに入力して[STARTSEARCH]ボタンを押すと、お目当ての製品がタイプグラフィックとなってランダムに重なって現れる。へぇなるほどねって感じだ。で「Emmaus」ってやってみた。こんな感じ。さっそく…

森有正・経験と思想

http://d.hatena.ne.jp/emmaus2/20041230 もう一度森有正の二項関係に関する文をここに引用してみよう。 結論的にいえば、「社会」というものは、「自我」と同様に、この点に関する限り、反自然的であると言わねばならない。そして、それは凡ての道徳の源泉…

河井寛次郎

二ヶ月前から仕事に難題が重なっていた。荒んだ重い気持ちで、ものづくりの仕事に疲れくたびれ果て、やることなすことが次々と裏目になっていた。 「いのちの窓」河井寛次郎著。人間国宝や文化勲章などに推挙されるが応ぜず、自らの世界を切り拓き、陶芸の枠…

茨木のり子

茨木のり子が一人ひっそり亡くなられた。 かつて生意気で、無知で甘えきったばかものの俺に、鋭く衝きつけられた切り出しナイフのような優しい豊かな言葉たち。「なにするんだぃ」と俺。だが喉元に丁寧に当てられて身を仰け反った17歳の夏。「おい若僧、本…

両極

バッハから銭形平次―野村胡堂・あらえびすの一生作者: 藤倉四郎出版社/メーカー: 青蛙房発売日: 2005/11メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (1件) を見るクラシック音楽評論と銭形平次の両極の野村胡堂・あらえびすの一生。

ネフ社の玩具

EDU‐TOY ネフとヨーロッパの木製知育玩具たち (Edutainment toy series (Vol.1 wood))作者: 小柳帝,プチグラパブリッシング出版社/メーカー: プチグラパブリッシング発売日: 2004/09/17メディア: ペーパーバック クリック: 76回この商品を含むブログ (13件) …

認知と創造性

スイスの玩具メーカー“ネフ社(naef)”は玩具業界に留まらず、半世紀の間デザイン領域においてもすぐれて大きな功績を果たしてきた。「独楽」による色相と色彩を一度に認知させるカラーリングのプロダクトには唸ってしまった。スペクトルの色帯に対応する円…

出来事はどうして起きるの?

岩波講座 科学/技術と人間〈10〉科学/技術と言語作者: 岡田節人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1999/06/08メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る ある出来事(事象)の説明は、はっきりした形式でいくつかの構成された順序立…

「手の変幻」

karposさんがここのところミッシェル・ド・セルトー「信じるという脆さ」1祈りのうちにある人<所作の木>を続けられている。祈る木 ① - 新生★KARPOS。所作を含む祈りの身体性と祈りの全体性あたりに関心があったので興味深く読んでいる。 「手」にまつわる…

西田幾多郎

松岡正剛が西田幾多郎を言及している。ついに入ったか。http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1086.html 私が世界に絡まり、世界が私を継続させる。その一体としての目覚めは領野を俯瞰し山容を眺望することではなく現実の只なかでの次に地点-というよりも…